古山三太の抽出しの中のエッセイ



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☆ワープロ時代だからこそ万年筆の愉楽
☆お正月特別寄稿
 年賀状は「年賀状限りの関係」?

☆絵を描きたくなる、水彩絵の具セット
☆これ以上は仕事はしない、と決断できるカードだ。
☆ネームテープ作成機、テプラの秘密。
☆書類の持ち運びにも困らないファイル。


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ワープロ時代だからこそ万年筆の愉楽


 
「万年筆の愉楽」

 万年筆のインクコンバーターってご存じかな?
カートリッジ式の万年筆を吸入式に変える。インクの色とペン先の太さの微妙な関係を気にする人のための小道具である。
 例えば、極太のペン先には純粋の黒が似合う。もしくは、ヨーロッパ製の鉄紺のインクだ。同じブルーブラックと称しても、メーカーによって、微妙に色調が違う。
だからこそ色の変化を楽しめる。極論すれば、自分の字形とペン先の太さとインクの色の組み合わせの妙を楽しむのが、万年筆選びの極致ともいえる。 昔は万年筆メーカーとインクのそれとは同じでなければ、つまりやすいといわれた。今はハードもソフト(インク)も優秀でそんなことはない。カートリッジ万年筆 を吸入式に変えて万年筆の快楽を思う存分味わおうではないか。
 


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お正月特別寄稿
年賀状は「年賀状限りの関係」?


 
「年賀状」

  年末、年始というとまず思い浮かぶのはこんどの年賀状をどうするか。あ りきたりでは自分らしさが出ないしね。とはいうものの、なかなかいいア イデアが浮かばないもの。では、ありきたりとはどういうことなのか。考 え出したら、まさに地下鉄漫才状態になるのがオチ。プリントごっこが一 世を風靡したのは、このあたりの人間の心を上手にくすぐって大ヒットし た。これとても、お洒落な絵柄はなかなか書けるものではない。
 次に、考 えるのは写真を使ったポストカード。
でも、子どもをも巻き込んだ家族写 真では、上司や目上の人には出せるものでもない。みんな、みんな同じよ うなコースをたどるものらしい。でも、この年賀状という風習はとても好 きな日本の正月行事である。「一年に一回のご挨拶でも、ないよりマシ」 「年賀状限りの関係」と否定的なフレーズが語られるが、もしこの年賀状 というシステムがなくなったら、結構人間関係はギクシャクするものと思 う。それは「限り」の関係であっても、ギリギリのところでつながってい ても、ひとりひとりの心の中に、出す相手のことが、思い浮かべば、再び 昔の関係がよりを戻すかもしれないし、もしかすると濃すぎない人間関係 だからこそ、世の中うまくいくということだっていえる。それにしても、 ハガキサイズの中で言いたいことを書ききるのはむづかしいよなァ。
 


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絵を描きたくなる、水彩絵の具セット


 
「水彩絵の具セット」

  三年前になくなった作家の池波正太郎さんの絵は、玄人はだしであった。
 あんなに上手でなくとも、誰でも旅に出た時、絵心が生まれる。カメラもいいが、景色のいいところでは、 絵筆をとりたくなるものだ。といっても大仰な道具を持ってでかけるのは、たいへんだ。誰でもそう思うのか、水彩色鉛筆がよく 売れているという。
 風光明媚な場所で「いかにも絵を描いてますよ」という態度をとるのもちょっとはずかしい。いい道具を見つけた。ウインザー・ニュートン製 の固形水彩絵の具とパレットと絵の具を溶かす水を入れる容器をセットにしたものだ。発色が綺麗。小さくて携帯便利。 丸いカーブの金属製容器がお洒落だ。イメージはウイスキーのスキットルである。
 池波さんもウインザー・ニュートンを愛用していたと読んだ。
 


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これ以上は仕事はしない、と決断できるカードだ。


 
「決断できるカード」

  大昔になるが、手帳の広告で竹村健一さんが「私はこれだけですよ」と連呼していた。
 現代のサラリーマンは、情報の多さに不安さえ感じている。薄さはセールスポイントにはならない。 広告を見た人は「確かに薄い手帳で、一冊で済むなら」と買った人も多いと思う。結局、一冊の手帳に何もかも詰め込むことは、 ひたすら厚くなるはずだ。だから、システム手帳は厚くなった。
 これからは手帳も分業化の時代だ。システム手帳に一日一枚リーフィルというのがあった。いわゆる5×3カード(縦5インチ、横3インチ)に、 一日の仕事が10個書き入れられるように印刷してある。片手に持てる大きさが使いやすい。裏には金銭出納帳の欄。一日のスケジュールのみの単独の機能に 徹している潔さがよい。
 


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ネームテープ作成機、テプラの秘密。


 
「テプラの秘密」
名札の作りすぎに注意。

  銀座・伊東屋へフラリと行った。手書きのPOP広告に100万台突破!の惹句。目を吸い込まれた。 日頃は計算をしない頭が働きだし「う〜ん」とうなった。はてさて、みんなどのような使い方をしているのだろう? 単なる名札付けなら、100万台はいかないだろう。使ってみなきゃわからない。好奇心の頭がもたげた。安い商品ばかり取り上げてきた関係で ためらってしまった。せちがらくなっているな。これじゃだめだ。きれいな文字がテープに打たれて出てくるだけの機械である。 ワープロよりも、単純な機能。使い方を使い手に、すべて預けて任せる。これからの商品作りのありかたのような気がする。小さい頃、 時を忘れておもちゃをずっといじっていた気分が甦る。売れる秘密を垣間見た。
 


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書類の持ち運びにも困らないファイル。


 
困らないファイル
把手をつけた鞄状態の「パリジェッタ」は、コロンブスの卵的発想だ。

  机の上がきれいな人がうらやましい。何で、編集者の仕事はモノがたまるのだろう。毎日が紙を中心とする、ゴミとの闘いなのである。 机の上がスッキリした方が仕事はやりやすいに決まっている。ファイルを使ってキレイにしたい気持ちは誰でも持っている。 ファイルを使ってキレイにしたい気持ちは誰でも持っている。しかし、キレイにすることを自己目的にはしたくない。だから、最低限にしたいと思っている。 条件を考えてみた。A4判の雑誌が入る。紙がたくさん入る。当面の仕事に関する資料をどんどん入れていくことができるからだ。
 こんなものぐさな私に向いている、いいファイルが見つかった。透明だから中身もよく見える。分類はしない。使ったら捨てることにしている。 保存しておきたくなったら、その時点で別のファイルに入れればすむことだ。
 


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